売り手市場の長期化と労働人口の減少による母集団形成の難化、採用手法の複雑・多様化、SNS・YouTubeなどの普及による企業の知名度格差により、採用が上手くいかず悩む企業は少なくありません。
採用における知識不足やマンパワー不足、社内のみでの採用に限界を感じる採用担当者も多いでしょう。
そこで注目しておきたいのが「採用代行サービスの利用」です。しかし、実際に利用するにあたり、「効果はあるのか」「人材紹介とどう違うのか」など気になる点は多いですよね。
本記事では、採用代行とは何か、依頼できる業務、メリット・デメリットをご紹介します。
採用代行とは

採用代行とは、自社の採用業務の一部または全てを外部業者に委託することです。RPO(Recruitment Process Outsourcing)、または採用アウトソーシングとも呼ばれています。
長期的な売り手市場にある現在、採用成功のためには、採用市場のトレンドの把握、各採用媒体の正確な知識を得る必要性が増しています。
これらの業務を採用のプロに委託することで、業務効率化、採用における質の向上、採用担当社の負荷を軽減できます。
正社員採用の他、パート、フリーランス(業務委託)、副業まであらゆる雇用形態で普及しています。
採用代行に依頼できる業務内容

採用代行に依頼できる業務内容を紹介します。
採用計画の策定
採用にあたる母集団の形成
募集の開始、応募者の書類選考
応募者への面接
内定者へのフォロー
採用の効果測定
採用計画の策定
採用課題のヒアリングから戦略立案、市場調査など、コンサルティングやマーケティング分野の委託が可能です。自社に適切な採用計画を立案することで、機会損失を防ぎ、よりスピーディーな採用を実現します。
既に社内に採用計画書や戦略立案がある場合は、それらのチェックを依頼することもできます。
採用代行が可能な業務の詳細・例
- 採用課題のヒアリング
- 採用戦略・戦術の立案・検討
- 採用計画のチェック
- 人材要件の定義づけ
- 予算の確認・設定
- KPI設定
- 採用競合調査
- 市場調査
- 採用にかかる管理システムの導入提案
- 採用ブランディング計画の立案
- 調査結果の分析 など
採用にあたる母集団の形成
多くの採用代行サービス提供業者は、採用チャネルの選定にかかわるノウハウを持ち合わせています。採用計画に則り、利用すべき媒体やプランを選定したり、ターゲットに刺さる求人票やスカウトメールの作成をしたりします。
採用代行が可能な業務の詳細・例
- 求人掲載の媒体選定
- 各媒体への掲載手配
- 各求人媒体の担当者とのやり取り
- 求人原稿制作・スカウトメール制作
- 母集団形成に関わる募集計画・募集要件の策定
- スカウトメールの設定
- 企業説明会を行う会場の手配
- 採用広報活動(YouTube動画、ビジネスSNSなど)
- SNS運用
- その他業者連絡 など
募集の開始、応募者の書類選考
実際に各媒体で募集やスカウトを行い、応募者から連絡がきた場合に対応を行います。
面接の案内から面接日の調整などのノンコア業務から、応募者スクリーニング、書類選考などのコア業務まで委託できます。
採用代行が可能な業務の詳細・例
- スカウトメールの配信設定
- スカウトメールの配信結果の分析
- 就職・転職フェアでの企業説明代行
- 求人媒体の運営
- 応募者に対してのメール・電話対応
- 会社に対して興味を持った人材への対応
- 応募者スクリーニング
- 書類選考
- 書類選考の基準決め
- 面接の案内
- 面接の日時設定
- 面接場所の設定
応募者への面接
面接にかかる業務の委託も可能です。選考データの作成・分析、面接評価シートの作成なども依頼ができます。また、新卒採用など大規模な採用を行う際には、応募者受付の依頼も可能です。
面接官向けのトレーニング・研修をメインに行っている事業もあり、自社の採用力向上を図っている企業にはおすすめです。
採用代行が可能な業務の詳細・例
- 選考データの作成・分析
- 面接評価シートの作成
- 適性検査の案内
- 応募受付
- 面接官代行
- 面接官向けトレーニング
内定者へのフォロー
内定者に対しての通知の他、入社案内書類の送付や入社日調整の委託も可能です。内定辞退のリスクを最小化するためのフォローも行っており、内定者フォローをメインに行う採用代行サービスもあります。
採用代行が可能な業務の詳細・例
- 応募者に対する合否連絡(初回面接・選考~最終面接まで)
- 入社案内書類の作成
- 入社日の調整・連絡
- 入社前研修・トレーニング
- 内定者懇親会の企画
- 社員交流会のセッティング
- 内定者とのメッセージなど内定者フォロー
採用の効果測定
採用の効果測定を行い、常に採用手法やアプローチ方法をアップデートをします。採用代行サービスによっては、内製化サポートを行うものもあります。
採用代行が可能な業務の詳細・例
- 各採用媒体の効果レポートの提出
- データ分析
- 各採用媒体の費用対効果の測定
- 歩留まり検証
- 課題分析
- PDCAサイクル
採用代行へ依頼する理由

採用代行へ依頼する理由を紹介します。
母集団の形成が難しい
採用活動を行うことで業務に支障が出る
内定辞退を防ぐために時間を割かなければいけない
採用担当に充てる人的リソースが足りない
母集団の形成が難しい
SNSやYouTubeの普及による一部の企業に求職者が流れること、長期的な売り手市場、労働人口の減少などにより母集団形成が難しくなっています。
「求人広告を打っても募集がない」「人材紹介が少ない」などの理由から、利用する採用媒体を拡充し、採用担当者の負荷が増加している企業は少なくありません。
昨今、企業は、選ぶ立場から選ばれる立場にシフトチェンジしています。
採用ブランディングを積極的に行い、正しい知識を身につけたうえで採用媒体を利用しなければ、理想的な母集団を形成することは難化し続けるでしょう。
採用活動を行うことで業務に支障が出る
現在の採用は、採用広報(SNS運用・動画作成など)、各採用媒体の担当者とのやり取り、スカウト対象者とのやり取りなど採用業務の幅が広がっています。
応募者とのカジュアル面談の設定から面接の設定などのノンコア業務に時間が割かれ、本来注力すべきである面接などのコア業務に集中できません。
採用活動が長期化するほど、採用活動の幅が広がるほど、採用担当者の業務に支障が出ます。これらの採用活動の一部を採用代行サービスに委託することで、本来注力すべき業務に集中できます。
内定辞退を防ぐために時間を割かなければいけない
採用の難化が進んでいる理由として、内定辞退者の増加が挙げられます。複数社の面接を同時に受ける新卒学生が増えているため、内定辞退率の増加に悩む企業は少なくありません。
内定辞退を防ぐための対策として、内定者フォローに時間をかける必要があります。
内定辞退率を下げるための取り組みに関して独自のノウハウを持つ事業者に、代行を依頼することで改善に期待できるでしょう。
採用担当に充てる人的リソースが足りない
採用担当に充てる人的リソースが足りないケースでも、採用代行を依頼することで改善に期待できます。
短期的に採用担当者のリソースが足りない場合に、新たに雇用したり人材教育を行ったりするよりも、コスト削減に期待できるでしょう。他業務に取り組む従業員を充てるよりも、採用のプロに代行を委託したほうが質の維持ができます。
採用代行と人材紹介の違い

採用代行 | 人材紹介 | |
---|---|---|
システム | 自社の採用業務を一部または全て代行する | 求人者と求職者の雇用関係の斡旋を行う |
料金システム | ・固定報酬型 ・従量課金型 ・成果報酬型 | ・基本は成果報酬型 ※ヘッドハンティングを行う際は着手金が発生するケースが多い |
費用の相場 | 目安:1~70万円/月 代行する業務量や内容で異なる | 採用時:理論年収×30~35% ※未経験の場合固定50万円~ |
支援内容 | ・採用計画の策定 ・採用にあたる母集団の形成 ・募集の開始、応募者の書類選考 ・応募者への面接 ・内定者へのフォロー ・採用の効果測定 | ・採用予定人材のヒアリング ・条件に適合する人材の選定 ・要件に適合する人材の紹介 ・人材に対する条件交渉 ・面接や合否連絡 ・求人票などの作成 |
代表的なサービス | ネオキャリア トライアンフ | マンパワーグループマイナビエージェント パソナキャリア | リクルートエージェント
人材紹介会社は、企業が求める人材を紹介する業務をメインに行います。
一方で、採用代行サービスは採用代行におけるあらゆる業務の委託を請け負います。人材紹介は1人採用するたびに成果報酬が発生するサービスが多い傾向にありますが、採用代行は料金システム・費用はサービスによりさまざまです。
人材紹介業を行うサービスもあれば、スカウトメール配信特化、内定者フォロー特化など、得意な業務も異なります。
採用代行サービスと人材紹介会社は似ている業務もありますが、採用代行のほうが、より包括的な業務を行っているといえるでしょう。
採用代行を依頼するメリット

採用代行を依頼するメリットを紹介します。
理想とする人材を採用しやすい
採用活動がスムーズになる
内定辞退を防ぐことができる
理想とする人材を採用しやすい
採用代行業者に人材の母集団形成・募集を依頼することで、理想とする人材を採用しやすくなります。
多くの採用代行業者は、あらゆる採用媒体の知識を持ち合わせています。そのため、効率的かつ効果的な、企業の採用要件に合う人物のリサーチが可能です。
マッチ度の高い人材を、あらゆる媒体・データベースからリサーチし、ターゲットに刺さる求人票を作成、スカウトメールを配信して募集をします。
採用活動がスムーズになる
採用代行を依頼することで、採用活動がスムーズに遂行でき短期間で質の高い採用が期待できます。
採用担当者が面接日調整や細かい応募者対応などのノンコア業務に割く時間が減り、面接やデータ分析などのコア業務に従事する時間を増やせるでしょう。
円滑に採用活動を進めるために、採用代行業者との打ち合わせは必要不可欠ですが、それを踏まえてもスピーディーな採用が期待できます。
内定辞退を防ぐことができる
内定者フォローを得意とする採用代行業者に依頼することで、内定辞退率の低下が期待できます。
内定者に対するこまめな連絡、内定者懇談会、従業員との交流など定期的な連絡・イベント開催により内定者フォローを防ぎます。企業に魅力を持ってもらえるよう、ノウハウを活かしたサポートを行うため、内定者辞退率を下げられるでしょう。
採用代行を依頼するデメリット

採用代行を依頼するデメリットを紹介します。
内定者とのコミュニケーションが希薄になる可能性がある
費用が高くつくことがある
採用に関するノウハウが会社に溜まらない
内定者とのコミュニケーションが希薄になる可能性がある
採用代行業者に内定者フォローを丸投げすると、内定者との関係が薄くなりコミュニケーション不足に陥る可能性があります。
採用代行業者に依頼する際は、従業員との交流イベントの提案や、自社社員とのコミュニケーションを取りたい旨を必ず伝えましょう。自社社員とのコミュニケーションがおろそかになると、入社後に違和感を感じてしまい、早期離職率が高まる可能性があります。
費用が高くつくことがある
依頼する内容や業務量によっては、費用が予想以上に高くなる可能性があります。
契約を結ぶ前に、必ず担当者に予算を伝え、その中でやりくりできるよう見積もりを取ってもらうことが重要です。特に、従量課金型の場合は予算をオーバーしないよう定期的なチェックは必要不可欠といえます。
また、固定報酬型も注意が必要です。当初は「3ヶ月のみの利用」と決めていても、採用が決まらなければ半年、1年と長期的な利用が必要になります。返金制度や、利用を止める際の注意点、利用中止時の日割り計算はあるのかなど、詳細を事前に確認しておきましょう。
採用に関するノウハウが会社に溜まらない
採用代行業者に、業務の遂行から市場調査、データ分析や振り返りまで全てを丸投げすると、採用に関するノウハウが自社に蓄積できません。
採用業務の内製化を検討している企業は、内製化までサポートしている業者に依頼することを検討しましょう。
もしくは、週1回のミーティングや、KPI設定、効果測定のレポート提出など細かいサポートが充実しているサービスを選ぶことがおすすめです。
採用代行を利用した方が良い企業の特徴

採用代行を利用した方が良い企業の特徴を紹介します。
採用に関する知識が乏しい
期間が短い場合や柔軟に対応してほしいという要望がある
採用目標の人数が多い
採用に関する知識が乏しい
自社で採用業務のPDCAサイクルを回しても改善されない、コンサルティングを入れても改善が見込めない、採用市場の調査が難しいと考えている企業におすすめです。
採用代行業者は、コンサルティングの他、実際に業務を依頼できます。実際に採用業務に携わっているからこその知識量と実力で、現実的な戦略の考案や改善点の提案を行います。
採用代行業者に依頼することで、自社の採用ノウハウを蓄積できる効果にも期待できるでしょう。
期間が短い場合や柔軟に対応してほしいという要望がある
短い採用期間で成果を上げたい、柔軟に業務を委託したい要望がある企業も採用代行への依頼がおすすめです。
採用期間が短い場合、あらたに採用担当者を雇用したり、他業務に携わる従業員を採用担当者にすべく教育するよりもコストが安くなるケースがあります。
企業としっかりと相談して見積もりを出してくれる業者に委託することで、理想のRPOが叶うでしょう。
採用目標の人数が多い
採用目標の人数が多い企業も、採用代行の利用に向いています。
採用目標人数が多いと、どうしてもマンパワー不足に陥りがちです。母集団形成から募集、その他選考など全ての工程の負荷が高くなります。
ノンコア業務のみ委託したり、一部のフェーズを委託したりすることで、クオリティを維持しつつスムーズな採用が可能です。
採用代行に関するよくある質問

採用代行に関するよくある質問にお答えします。
採用代行とは具体的にどのようなサービスを提供しているのですか?
採用代行を利用することで、どのようなメリットがありますか?
採用代行と人材紹介の違いは何ですか?
採用代行とは具体的にどのようなサービスを提供しているのですか?
採用代行業者は、採用業務に関係するあらゆる業務を代行するサービスを提供しています。業者により対応可能な業務内容や得意分野が異なります。
詳しくは「採用代行に依頼できる業務内容」をご覧ください。
採用代行を利用することで、どのようなメリットがありますか?
採用代行を利用することで、マンパワー不足の解消、採用における知識不足のカバー、クオリティの向上、スピーディーな採用の実現、内定辞退率の低下が期待できます。
詳しくは「採用代行を依頼するメリット」をご覧ください。
採用代行と人材紹介の違いは何ですか?
採用代行は採用におけるあらゆる業務委託を請け負うサービスです。一方で、人材紹介は求人者と求職者を繋げるためのサービスです。
詳しくは「採用代行と人材紹介の違い」をご覧ください。
まとめ
売り手市場の長期化・労働人口減少による母集団形成の難化、SNSやYouTubeによる企業知名度の格差の広がり、採用手法の多様化により採用担当者の負荷が高まっています。
採用代行サービスを利用することで、マンパワー不足の解消、採用広報による知名度の向上、採用の質の向上が期待できます。
自社に最適な採用代行サービスを選ぶことで、採用課題の解決が期待できるでしょう。
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